注目を浴びた。

友達と別れてひとり帰りの電車。
ちょうどホームに来たので、乗ろうと思って、走ってすべり込みギリギリセーフ。
間に合ってよかった〜と思っていたら、ん?なんか変だぞ、と気付いた。なんと、カバンの端がドアにはさまってしまっている!財布などの入ったバッグは無事だったのだが、買い物したものを入れた、手にさげる軽くて薄いカバン。
しょうがないので引っ張った。しかし、びくともしない。もっとチカラを入れて引っ張っても駄目。
すると、近くにいた中学生の男の子ふたりが、なんと一緒に引っ張ってくれたのだ。ドアの取っ手を開けるようにしてもらって引っ張ったり、3人で一緒に引っ張ってもらったり。でも取れない。
近くにいたおばさんが、「◯◯駅までそっちのドア開かないわよ。」と、冷たく言った。そんなの終点じゃん、そこまで行くのだったら、惜しいが、カバンの中身だけ取り出して、カバンはそのままぶら〜んとさせておくしかないかな、と思って、中身を出してしまった。
すると、男の子が、「あっ、ティッシュがはさまってる!」と、発見してくれた。そして、いままで外側から引っ張っていただけだったのが、内側のティッシュを引っ張るようにした。すると、なんと、最後には取れたのだ!あの時は嬉しかったね〜。驚いたね〜。
ほっとしていると、取れたあとの次の駅で、男の子たちが、「それじゃ、ぼくたちここで降りるので・・・。」と言う。わたしは「ありがとう。ギリギリまで頑張ってくれてありがとう。ありがとうございました。」と、ひとりずつにお礼を言った。ふたりとも、にこにこして、降りて行った。
必死でやっていたので、もういくつも駅を通り過ぎていた。まわりのひとはなんて思って見てたのかしら、と冷静になって、恥ずかしくなってしまった。
すぐ、わたしの降りる駅に着いたので、いそいそと降りた。
しかし、親切な中学生もいるものだ。ニッポン、まだ捨てたもんじゃない。
本当に助かった。ふたりとも、本当にありがとう!
わたしは今日のことをずっと忘れることはないだろう。