トランペット・リサイタル

昨晩、上野のトランペット・リサイタルへ行った。本当は、母が友達と聴きに行くはずだったのだが、直前に母がひどい風邪を引いてしまい、私のところへチケットが回って来たのだ。数人を誘ったのだが、急だし、みんな忙しくて一緒に行ける人がいない。やっと、年下の友達と行くことになって、楽しみにしていたのだが、なんとその友達も当日になって風邪で熱が下がらず、とうとう一人で行くことになってしまった。
奏者はオッタヴィアーノ・クリストーフォリというイケメンのイタリア人だ。ピアノの伴奏者は高橋ドレミという、女性では珍しく眼鏡をかけているが、ドレス姿は美しかった。第一部では赤いドレス、第二部では黒いドレスに着替えていた。
曲は、知らないのばかりで、一曲だけ、日本のあの「ふるさと」の、「『ふるさと』による変奏曲」だけわかり、とてもよかった。サービスで日本の「ふるさと」のさびをそのまま演奏してくれてるのに、一人しか拍手をするひとがいなかった。わたしも拍手したかったが、目立つことはしたくないのでしなかった。みんなも拍手すればいいのに〜。ごめんね、オッタヴィアーノさん。さび以外は変奏曲なので、訳が分からなかったけど。
トランペットの音は特別好きな訳じゃないけど、一人でホール全体に響き渡る大音響を出して、凄いな〜どんな肺をしているんだろうと思った。肺活量が凄いので感心してしまった。圧巻だった。
ひとつ前の席にイタリア人の家族が来ていて、イタリア人の友達が離れたところにいて、休憩のときにこっちへ来て、中の一人となんか話していた。そしてもう一人、イタリア語ペラペラの日本人も来て、ちょうどわたしの席がはじっこにあったので、わたしを中心にぐるりと囲み、若い男三人が立ってイタリア語でわいわい話していることになった。話が聞こえてくるのだが、ひとりが「タリラリラ〜♪」と、聞いたことのあるメロディを歌い、ひとりが「…Christmas…」と言い、誰かが「SAKAMOTO…」と言っているので、「戦場のメリークリスマス」の、先日亡くなったデヴィット・ボウイの話をしてるのかな〜と思ったり、坂本龍一ゴールデングローブ賞を受賞できなかったことの話かな〜と思ったりした。とにかく盛り上がっていた。わたしが席を立ってロビーで気分転換して、戻ったら、まだ同じわたしの席を囲んで話している。しょうがないので、イタリア人に「すみません。」と言って座ろうとしたら、よけながら「スミマセン」と言うのでびっくりした。それからも三人の話は休憩が終わるまで続いた・・・。わたしの視線も、休憩が終わるまで三人の股間を見つめるしかなかった・・・。
一緒に行く友達がいなくなったので、わたしも今日は寒いし風邪引くかもしれないから行くのやめようかな〜とも思ったけど、思い切って行ってよかった。でも、これからはトランペットには行かないだろう。やはりヴァイオリンやピアノにはかなわない。
また、いいコンサートがあったら、行きたいな。